得するコラム

【破産できない恐怖】初心者のレバレッジ取引

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損をした。どうしよう?

CFD取引SNSで流行っているのか、このようなメッセージが送られてくることが多くなりました。

「CFD取引で50万円損している。どうすればいいでしょう」

CFD取引とは
差金決済取引のこと。
1万円などを証券会社に預け、それを証拠金(担保)として100万円などの数量を売買し、売買の差額を決済するデリバティブ取引です。
現物取引のヘッジなどで有効に使用されています。

 

CFD取引は、資を投じて対象の価値をあげリターンを狙う投資とは異なり、単純に価格差で儲ける投機と呼ばれるものですね。

このCFD取引が投資初心者の方にやや不向きと言えます。

一つの理由に、レバレッジ取引ができる点があるからです。

このことから、基本的に投資初心者の方はいきなりCFD口座を開けません。

証券会社は「適合性の原則」と言うものに沿って、顧客の口座開設時に投資経験を聞きますが、そこで不向きと判断されれば口座開設は不可となるのです。

ちなみに、相談者様はドがつく初心者さん。

証券会社から投資経験を聞かれた際はどうしたのかと聞くと、嘘をついて口座開設をしたのこと。

ここで嘘をつくのは、【最悪の事態】が起きた際に不利になるかもしれません。


そもそもレバレッジ取引とは?

投資資金に対し、数倍の取引ができるものを言います。

つまり、投資資金10万円で100万円分の取引ができるということ。

Leverage

↑この例では、レバレッジ10倍ということになります。

(取引額100 ÷ 投資資金10 = レバレッジ10)

そして、この最初の投資資金10万円を「証拠金」と言います。

どういう時に借金になる?

簡単にいうと、

レバレッジ取引で証拠金以上に損をした時」です。

以下のようなレバレッジ取引をしたとしましょう。

■証拠金10万円

■レバレッジ10倍

■100万円の株を購入

この株が80万円に値下がりしたとします。

このレバレッジ取引での損失は20万円ですが、証拠金は10万円しか入れていないので、その差額10万円が負債となります。

Leverage2

 

↓これがもし現物取引だとしたら、負債は負いません。

NoLeverage

『負債を背負う可能性があること』これがレバレッジ取引は危険と言われる理由です



ロスカットが無意味に!?

負債を負う可能性があるとはいえ、ロスカットルールを設定しておけば、損失は限定的という声もSNSなどで散見されます。

ロスカットとは一定の損失額に到達したら、強制的に取引を終えるルール。
一般的に損失拡大を防ぐものとして利用される。

しかし、ロスカットは、必ず設定レートで約定するものではありません。

最悪の事態を考えるのは投資や投機をする上ではとても大事です。

どういうことか確認してみましょう。

スイスフランショックの悪夢

忘れもしません。

2015年1月15日、日本時間の夕方、スイスフランが暴騰しました。

たった数十分で、スイスフラン円のレートは約40%も暴騰

110円台だったレートが、一瞬で150円台をつけてます↓

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livedoor.blogimg.jpより

リーマンショックの時ですら約6%の上下動でしたので、いかに歴史的な値動きかがわかりますね。

 

さて本題です。この時、スイスフランのショートを持っていたとします。

ショートとは売りのことですね。高く売って、安く買い戻すことを狙うものです。

つまり、レートが下がったら儲け、上記のように暴騰したら大損です。

この大損を避けるためにロストカットが存在します。

では116.00円ロスカットを設定していたとしましょう。

当時、このロスカットはどうなったでしょうか。

当然、116.00円では約定していません。

なぜなら、116.00円では取引してくれる人がいなかったからです。(レートは参考値)

レートというのは、その値段で買う人と売る人がいて初めて存在できるものです。

スイスフランショックは、スイスフランを買いたい人は山ほどいても、売りたい人がいなかった事例です。

130.00円・・・140.00円・・・などで初めて売ってもいいよという人がいたわけですね。

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つまり、116.00円に置いておいたロスカットは、もっと損失が大きくなる130.00円などで強制決済されるわけです。

これが、ほんの0.0001秒の間で起こりました。

114.50の0.0001秒後のレートが130.00円、という状態だったのです。

 

こちらのケースはとてもレアではありますが、相場はいつ何が起こるかわかりません。

ブラックスワンはいつやってくるかわからないのです。

特に、最近はアルゴリズムによる超高速取引が盛んですから、ボラティリティが高く、急変する可能性は高くなっているのではと私は考えています。

FXに限らず、すべてのレバレッジ取引では、『ロスカットが無意味になる』という最悪のケースがあることを頭の片隅に入れておきましょう。



破産できない!?最悪の事態を考える

基本的に日本では、レバレッジ取引が理由で借金をした場合、それを0にできる自己破産(免責許可)はできません。

自己破産(免責)できないとされるものの一つに、以下があるからです。

破産法 第252条第1項第4号
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

 

ギャンブル性の高いレバレッジ取引は、上記の射幸行為とみなされます。

『最悪、自己破産してチャラにすればいいのだし、一攫千金狙っちゃおう』という人が増えないためにも、当然の法律ですね。

これからレバレッジ取引に向き合う方は、自己破産ができない点を必ず考慮に入れましょう。

 

一方で、自己破産ができる例もあります。

『口座を開くときなどに虚偽の報告をした』

などということがない限り、裁判所の裁量により自己破産は可能です。

 

ここで、最初に触れた、嘘をついて口座開設した相談者様の例を出すと、、、

もしもその方が自己破産をしたい時、嘘をついたことが不利になり、自己破産ができない可能性が出てくるわけです。

(裁判所の判断になるので、確実なことは言えませんが・・・)

初心者は

「ネットでオススメされていたから」

「営業員が言っていたから」

とよく調べないで取引をし、損をしても誰も助けてくれません。

投資は自己責任・自己判断で行われるものだからです。

自分のお財布を親身になって考えてくれるのは自分か身内ぐらい。

儲け話は笑顔でやってくる。

そんなことを意識しながら情報に向き合い、そして必ずリスク管理をしましょう。

個人的には、投資初心者の方がいきなりレバレッジ取引をするのは、小学生が微分積分の計算をしているのと同じように思います。

初心者が投資を始めるなら、やはり金融庁が勧める「長期・積立・分散」投資をするのがいいのではないでしょうか。

 

ABOUT ME
miniko
✎︎元為替ディーラー(銀行員) ✎︎元運用会社(リスク管理部門) ✎︎証券アナリスト1次(2次は取ってません?) ✎︎ FP 生まれてくる娘のため、賢い金融との関わり方を模索中です。