保険

【保険会社の3つの儲け方】保険の仕組み知ってる?

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「入るのが当たり前」

そんな保険ですが、その仕組みを知っている方は少ない印象です。

自分の中でしっかりスタンスを保てるよう、保険の仕組みを勉強していきましょう!

保険の利益は3つ

①死ぬ人が少なかったら利益

こんな保険を考えてみます。

■契約者10人

■ヒトの予想死亡率は2/10(10人に2人が死ぬ想定)

■死んだら4,000円の保険金がもらえる

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では、死亡する2人の保険金8,000円のために、10人からいくら徴収すればいいでしょうか?

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上図のとおり、8,000円 ÷ 10人 で800円の保険料となりますね。

では、もし予定していた死亡率2/10が外れて、1人しか死亡しなかったとしましょう。

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そうすると、保険会社には4,000円のお金が残ります。これが1つ目の利益です。

予定していた死亡率と、実際の死亡率の差ですね。死差益(危険差損益)と言います。

ある意味、保険会社は顧客に長生きしてもらったら利益なわけです。

逆に言うと、顧客は早死にすると利益ということになります。(そんな利益いらないですがね)

一口メモ

予定する死亡率については、保険業法により「生保標準生命表」を利用することが定められていること・収支相等の原則があること、のために保険会社の利益になるように操作することは難しいです。

ただし、現状、この死差益が収益の大部分を占めているのも実情です。

コストをかけて、なるべく健康な人しか引き受けない!などの工夫が見受けられます。



②運用がうまくいったら利益

10人から保険料をもらう保険会社ですが、もらったら誰かが死ぬまで(保険金の支払いが発生するまで)、ただプールしておくわけではありません。

運用をします。では条件を付け加えましょう。以下青字部分です。

■契約者10人

■ヒトの死亡率は2/10(10人に2人が死ぬ)

■死んだら4,000円の保険金がもらえる

■予定する運用益は500円

すると、500円は運用で増やせるわけですから、みんなの保険料を割引してあげる必要があります。

500円は保険会社で賄うということで、500 ÷ 10人 = 50円

1人50円の値引きです。

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しかし、実際の運用はもっとうまくいき、予定していた500円ではなく1,000円の運用益になりました。

この、予定していた500円(顧客へ還元)と実際の1,000円の差が保険会社の儲けです。

利差益と言います。

もし運用がうまくいかず、500円の利益を予定していたのに300円しか利益が出なかったら、保険会社は200円の損を出すことになります。

一口メモ

予定する運用益は、金融庁が定める「標準利率」に基づいて計算されます。

これにより計算された「予定する運用の利益率」(予定利率)は、

少し難しくいうと、将来必要な責任準備金の現在価値を求める時の割引率にあたります。

 

予定利率が大きければ、保険料率は低下し、予定利率が高ければ保険料率は上がるということです。

 

つまり、運用がうまくいきそうな世の中なら保険料は低下運用がうまくいきそうもない世の中なら保険料は高くなるわけです。

今は低金利時代で、どこの保険会社も運用難ですから、保険料はそういった意味で割高なのかもしれませんね。



③経費を抑えられたら利益

上の例で示した保険では、経費が考えられていません。

これでは保険会社はやっていけないので、保険料を少し増やしましょう。付け加える条件は以下青字部分です。

■契約者10人

■ヒトの死亡率は2/10(10人に2人が死ぬ)

■死んだら4,000円の保険金がもらえる

予定する運用益は500

■全体で経費1,000円

ということは、1,000 ÷ 10で保険料は1人100円プラスですね。

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ただ、経営がうまくいき、700円まで経費削減に成功しました。

10人から経費として1,000円徴収しているので、300円の利益になります。

これが保険の2つ目の利益、費差益です。

予定していた経費と、実際の経費の差ですね。

一口メモ

昔は護送船団方式により、「カルテル料率」なんて仕組みで経営効率の悪い会社も守られてきましたが、自由化した今は、どの会社も経費削減を余儀なくされています。

「人と紙の産業」だった保険業ですが、ネットの普及でどちらも必要なくなったため、人をたくさん抱える保険会社は、ネット系保険会社と戦うために、大きな舵取りが迫られるかもしれません。

 

①死差益も②利差益も、元となる数字は法律などで定められた一律のものを使用しますが、費差益は横並びではありません。

一番企業努力(経費削減→顧客に還元)が見える点かもしれませんね。


実際の儲けはどんなもの?

実際に、 各保険会社の利益はどのようになっているのでしょう。

決算にて、上記3つの利益をまとめている保険会社をいくつかピックアップしてみました。

■日本生命/三井生命

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明治安田生命 

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 用語が違う面もありますが、どちらも危険差益(死差益)がメインの収入となっていることがわかりますね。

「保険会社が想定するより、人は長生きする」(想定より保険金支払いが少ない)ということです。

最近は医療の発達により、死亡率が下がってきているため、特にここの利益は大きいわけですね。



この3つだけは抑えよう!

今回は簡単な例でお話ししましたが、実際は保険料の計算はとても難しく、高度な数学を使用します。

設計士になるには、アクチュアリー試験と言って、弁護士試験に並ぶ難関資格の取得が必要です。

 

この「難しさ」が、保険をよくわからなくさせている点かと思いますが、ポイントは以下

 

POINT

■「人が想定以上に長生き」したら保険会社が儲かる!(早死にしたら顧客側が儲かる)

■「想定の運用益」だけ保険料は割引に!ただし不景気だといまいち

■保険料には「想定の手数料」が乗っている!企業努力の差が大きい

この3点に尽きます。

まずは保険の仕組みを正しく知り、賢く保険を選んでいきましょう!

今回触れたのは、掛け捨ての保険です。貯蓄型保険の仕組みは次回!

 

 

 

 

 

 

 

ABOUT ME
miniko
✎︎元為替ディーラー(銀行員) ✎︎元運用会社(リスク管理部門) ✎︎証券アナリスト1次(2次は取ってません?) ✎︎ FP 生まれてくる娘のため、賢い金融との関わり方を模索中です。