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保険で貯蓄はもったいない!?3つの理由

悩む男性
悩む男性

保険 は、早死になど万が一のリスクに対応してくれる重要な金融商品です。

しかし、貯蓄のために利用するのは、決して賢い選択ではありません。

貯蓄型保険でお金を貯めることが、なぜもったいないか、見ていきましょう。

理由1. 実は手数料を取られている?しかも高い?

実は、毎月支払っている保険料の中には、

■不測の事態に陥った方に支払われる「保険金」のための純保険料

■保険の運営費に当たる付加保険料

が含まれています。

保険料内訳

そしてこの付加保険料の割合が、公表されていないことが多いのです。

必要経費なのかもしれませんが、30%〜70%とも言われています。

 

また、付加保険料の中には、保険の窓口となる販売会社(銀行など)へ支払われる「販売手数料」というものが存在します。

販売手数料

これも、今まで全く公開されていませんでした。

が、金融庁が「顧客本位じゃなさすぎる!」と注意をし、最近やっと公開されきています。

 

するとどうでしょう、平均の販売手数料が実は7%に迫るということが知られるように。

焦点:金融庁が強調する手数料開示、増える銀行負担 差別化必要に 

 

これに関して、金融庁での審議会でも、こう明言されています。

金融機関代理店の販売手数料は、多くの場合、保険会社より契約時に一括して支払われ、その手数料は高水準なものとなっております。保険会社は、主に顧客の運用資産から販売手数料の原資を差し引いており、顧客から直接徴収しておりません。このため、顧客は、どの程度の販売手数料を保険会社が金融機関代理店に支払っているか見えない状況となっております

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/gijiroku/20160802.html  より

この市場ワーキンググループ(金融庁の審議会)の資料はこちら

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20160802/02.pdf

 

貯蓄のために保険を利用するなら、他の金融商品を利用した方がこの手数料負担を抑えることが可能ですので、保険で貯蓄をおすすめできない第1の理由となります。

 



理由2. 元本保証でも元本割れを起こす?

 

元本保証の保険でも、以下の場合、元本割れを起こすことがあります。

■途中解約した場合

■保険会社が破綻した場合

■円高になった場合(外貨建て保険のみ)

それぞれ見ていきましょう。

 

■途中解約した場合

この場合はほぼ元本割れすると言っていいです。

せっかくお金を貯めるために毎月保険料を払っているのに、貯めた額が払った額より少なくなっていたら、当然嫌ですよね。

 

「大丈夫、途中解約しなければいいのでしょ?」

 

そう決心され加入しても、何が起こるかわからないのが人生。

 

・子どもがまさかの私学入学

親の介護費用が増大

共働きができなくなった

投資で失敗した

歯の治療が思いの外かかった

などの理由で保険料を払い続けることができず、途中解約を迫られる例は珍しくありません。

 

毎月の支払いが数万以上ある方は特に気をつけなければいけません。



■保険会社が破綻した場合

この場合、生命保険契約者保護機構がある程度、補填することになっています。

しかし、ご覧の通り”責任準備金等の約90%“となります。

 

保護機構によって、破綻時点の補償対象契約の責任準備金等の90%まで補償されます。

http://www.seihohogo.jp/

 

「責任準備金ってなに?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、

責任準備金とは、将来の保険金・給付金の支払に備え、保険会社が保険業法で保険種類ごとに積み立てることが義務づけられている準備金のこと

https://www.lifenet-seimei.co.jp/glossary/detail/312.html

要は、保険金や給付金(不測の事態に陥った時に支払われるお金)の支払いのために保険会社が備えているお金です。

(保険金と給付金の違いは明確な基準はなく、一般的に死亡した場合に払われるお金は保険金、入院費用のためなどに払われるお金は給付金と呼ばれている印象です。)

 

そしてこの責任準備金は、私たちが毎月支払う保険料のうち、「純保険料」の部分に当たります。

つまり、保険会社が破綻した場合、
支払った保険料から付加保険料が引かれた部分(純保険料部分)の90%のみ補償
されるのです。

 

保険料の補償

しかも貯蓄性の高い保険は、付加保険料部分が大きいため、保険会社が破綻した場合に帰ってくるお金はあまり期待することができないでしょう。

 

ちなみに、過去破綻した保険会社は以下の通り

破綻した生保

ご覧いただくとわかりますが、別の会社が買収をしています。

ただし、更生計画そのものが順調にいく可能性は低く、買収されても元本割れを免れることは困難のようです。



■円高になった場合(外貨建て保険のみ)

「資産を外貨に分散して安全に管理しましょう」

「外貨の方が金利が高いですよ」

そんな営業員のトークがよく聞こえてきます。

実際、外貨建ての保険というのは、とても人気です。

しかし、元本保証なのに元本割れをしがちな代表的な商品なのです。

 

そもそもこの外貨建て保険、
「外貨で積み立てて満期時に外貨で受け取る」
というもの。

そう、“外貨では”元本保証されるのです。

裏を返せば、外貨を円に直したときはわかららない、ということ。

注意してみると、パンフレットやホームページにそのような記載があります。↓

http://www.metlife.co.jp/products/life/iswl-dollar/

http://www.d-frontier-life.co.jp/products/detail.html?product=154&agency=66

 

サンプルケース

♠ 1ドル = 150円の時

10,000ドル = 円換算で150万円(150円 × 10,000ドル)

を積み立てる →この時10,000ドルは元本保証

♠ 満期時 1ドル= 100円に変化

積み立てた10,000ドルを受け取る

ドルでは使わないので円に直すと・・・

100円 × 10,000ドル = 100万円

 

「円で150万円積み立てたはずなのに、円高になり受け取り時に100万円になってしまった!」

 

ということが発生するわけです。これが為替リスクというものになります。

もちろん、円安になったら逆に儲かることもあります。

しかし、プロですら1秒先もわからない為替の世界。

20年後にどうなっているかなど誰もわかりません。

ですので、外貨建て保険はリスク商品であり、進んでおすすめできる商品ではないのです。

 

確かに外貨の方が金利が高い場合も多く、分散投資も大切です。

ただ、それをするならば、「外貨預金・外貨積み立て預金・海外資産に投資する投資信託」などの方が手数料も少なく、自分で自由に円に直すこともできますので、そちらの選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。

 

※外貨建て保険には、円換算支払特約というものがあり、一見、「円に直しても元本保証するよ」という特約に見えますが、これは「満期時に必ず円で支払うよ」というもので、為替リスクは避けられません。

以上3つの場合、「元本保証でも元本割れを起こす可能性がある」点で保険による貯蓄をおすすめできない第2の理由になります。

 

貯蓄してるのになぜか目減りする、そんな事態はなるべく避けましょう。

※初めから元本割れが想定されている学資保険などもあります。それらはもちろん、しっかり仕組みを理解した上で加入を検討しましょう。



理由3. 返戻率を年利で見てみると・・・

比較する金融商品によっては、魅力的に映らない場合があります。

 

サンプルケース
毎月1万円の保険料支払い
35年間継続
返戻率109.52%

420万円払込み、満期時に460万円返ってくるこちらの保険を年利に直してみます。

返戻率利回り 返戻率を利回りに

返戻率109.52%のこちらの保険、年利に直すと0.51%ということです。

 

2018年4月現在、メガバンクの定期預金金利が0.01%ほどですから、定期預金よりははるかに良いと言えます。

http://www.bk.mufg.jp/ippan/kinri/yokin_kinri.html

しかし、投資信託と比較するとどうでしょうか。

投資信託の中では比較的リスクの低いインデックス投信の利回りは、平均4%〜6%と言われていますし(2018年4月現在)、投資信託の販売手数料は0%というもの出てきていますので、つみたてNISAなどの税制優遇措置を利用しながら投資信託を購入したほうが、“増やす”という点では優れていそうです。

(投資信託はリスク商品ですので、仕組みをよく理解してから購入しましょう。)

 

このように、「運用して増やす」ということを考えると、わざわざ手数料の見えない保険を利用するより、他の金融商品を利用したほうが効率が良い場合が多々ある点が、保険で貯蓄をおすすめできない3つ目の理由になります。



まとめ

1.販売手数料が高く、しかもブラックボックス化している

2.元本保証でも、元本割れすることがある

3.利回りをみると、より良い金融商品が他に存在する

 

以上の点から、保険で貯蓄は積極的におすすめできません。

ですが保険は、守りたいものが存在する方には必ず助けとなる優れた金融商品です。

相互扶助の考えに基づき長い歴史を歩んできた保険ですので、間違いありません。

 

では何が賢い選択なのか・・・

  • 万が一のリスクへは、貯蓄性のなく、手数料の安い掛け捨て保険などへ加入する
  • 老後の備え(長生きリスク)教育資金への備えなど”貯蓄”部分は、他の金融商品に目を向けてみる

こちらはいかがでしょうか。

 


 

ABOUT ME
miniko
✎︎元為替ディーラー(銀行員) ✎︎元運用会社(リスク管理部門) ✎︎証券アナリスト1次(2次は取ってません?) ✎︎ FP 生まれてくる娘のため、賢い金融との関わり方を模索中です。