ちなみに、インデックスファンドを選ぶときは「純資産総額」はそこまで気にしなくても大丈夫です。
そもそも純資産総額とは?
純資産総額とは、ファンドの規模を表すものです。
純資産総額は、3つの要因から変動します。
①顧客の資金流出入

②運用成果

②分配金

多すぎても良くない!?
株式を対象とするアクティブファンドに限りますが、純資産総額が多すぎても問題があります。
純資産総額の大きすぎる投資信託は、投資対象が限られてしまうからです。
例えば
純資産総額が7,000億の投資信託Aがあるとします。
このAファンドは、1日の取引額が200万円ほどの小型株xを購入したい。
しかし以下の理由からそれはできないのです。
そもそも200万円ほどの取引しかないということは、自身の買い注文で小型株xの株価は急騰してしまい、結局割高な価格で購入することになるのです。
また、仮に200万円買ったところで、7,000億のファンドに与える影響は微々たるもの。
x株が見事に10倍になっても2,000万円。
つまり2,000万 ÷ 7,000億 =0.003%ほどしか影響がありません。
その上、投資信託はいつでもお客さんが購入できる仕組みになっているので、急に純資産総額(運用資金)が増えると、運用が難しくなるためパフォーマンスはより劣後しやすくなると言われています。
投資の本を読むと上記のようなことを書いてあるものも多く、例えば米国でヘッジファンドと投資信託の運用をしていたジム・クレイマーの『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』には、具体的には1,000億円程度だとインデックスファンドを超える成果をあげるのはかなり難しくなるというような記載があります。
ひふみ投信の例
この状態にあると思われる有名ファンドが「ひふみ投信」です。
2017年2月、カンブリア宮殿で取り上げられて以降、純資産総額が約1,400億円の水準から7,600億円程度に急増しています。
それに併せて、大型株の比率が20%程度から40%程度の水準まで倍増しています。
足元では、ポートフォリオの約半分弱が大型株となっているのです。
少なすぎるとよくない!?
純資産総額が少なすぎると、繰上償還リスクがあります。
繰上償還されると、強制的に売却させられます。
そうなると、利益が出ていた場合、意図せず運用益に対して約20%の税金を支払うことになりますし、損失が出ていた場合は、意図せず損失を確定させられます。
税金の関係ないNISA枠などで購入していた場合でも、意図せずNISAの枠を使ってしまうことになるわけです。
まとめ
純資産総額とはファンドの規模を表すもの
『資金流出入』『運用成果』『分配金』により変動する
純資産総額が少なすぎるからと言って一律に「買わないほうがいい」とは限らない
株式を対象とするアクティブファンドに限っては1,000億以上のものも注意